お菓子の家につられて

「兄さんが食べられてしまったら困るわ」
グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』のお話を知っていますか?
貧しい家の両親に捨てられた兄妹。
兄がヘンゼルで、妹はグレーテル。
森をさまよい歩いているうちに
お菓子の家をおとりに人食い魔女に捕らえられ
魔女はヘンゼルから先に食べようと
グレーテルにヘンゼルを太らせるために手伝いをさせます。
グレーテルは何とかしてヘンゼルを助けようと
知恵を働かせて
ついに魔女を殺してヘンゼルを助け出します。
2人はその家にあったたくさんの宝物を持ち出し
自分たちの家へ帰りました。
・・私が読んだいくつかのお話の中には
様々な結末がありました。
子供向けにハッピーエンドな脚色がされていたり
胸の奥がざわっとするような終わり方だったり
果たして『ヘンゼルとグレーテル』のお話は
可愛らしいお菓子の家がモチーフの、メルヘンな世界観なのか?
ヘンゼル 

それとも
残虐とも思えるほど、実は恐ろしい物語なのか?
ヘンゼル2
そんなふうに 頭が掻き乱されてしまう。
仮に後者なのだとしたら、
こんな結末が待っているのです。
ヘンゼルとグレーテルが家に戻ると、
そこにはお父さんしかいませんでした。
お母さんは熱病にうなされて 今朝亡くなったというのです。
魔女をかまどで焼き殺したグレーテルは
心臓をどくんと鳴らしました。
そして気が付くと
魔女が唱えていた呪文が口をついて出てきました。
魔法が使えるように なっていたのです。
グレーテルは魔女が死ぬ間際に言いかけた言葉を思い出しました。
「次はお前の番‥‥」
この結末では 魔女と母親は同一人物だったとされています。
後味はあまりよくないけれど
グレーテルはいつだって
知恵をしぼって生き抜きました。
その結果失ったものと得たもの。
自分で考えて行動した者は
強くなるのだと思います。
自分が境地に立たされた時に
どうにかしてなんとかしようと
考える。行動に移す。
この世界においても
その勇気が必要です。
魔女になったことに気付いたグレーテルは
物語の最後に、こう呟きました。
「まぁいいじゃない。これはこれで面白いわ。」
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トータルビューティーサロン M. SLASH センター南
南まゆ香

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